Herald of ECU Translatio Runner / ECUトランスラティオ・ランナーの伝令

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ひと晩二輪車の背に揺られた翌早朝、オマハを出発した伝令がニューエデッサにある目的の要塞に到着した。
伝令は聖キュヴィエ病院参事会の首席司祭に近づき、ロッキー山脈越えに挑んだ一団の顛末を報告した。というのも、1,000人からなる軍団はあっけなく潰走したうえ、随行していた教皇特使が行方不明となったからである。ロッキー山脈に至る手前、ワイオミングの平原での出来事であった。
首席司祭は教皇特使の捜索と犯人捜しに全精力を傾けるよう言い渡し、短い会談を打ち切った。伝令は首席司祭の無関心な態度を不審に思った。そしてそれ以上に「犯人捜し」という言い方に違和感を覚えた。首席司祭に無残な犠牲者たちの写真を見せたが、そこに人間の知性が介入した痕跡は見られなかったからだ。野営地はまるで嵐に遭ったようだった。



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